fineの天祥院英智くんを好きになれた日


お久しぶりです。

最近は思うところがあり、このブログは長らく放置気味だったのですが、『Synchronic Spheres』幕張公演に行って、久しぶりに何か書きたくなったので筆を取っています。

fineの現場にはメンバーが入れ替わってからも変わらず通っているんですけど、どうしても以前の4人が好きだったので、比べてしまう部分があって。

今の英智くんのことも変わらず好きだけど、やっぱりあの頃が最高だったから、どうしても懐古してしまって。

でもそれって、今のメンバーにも、英智くん自身にも失礼な気がして、fineについて何か文章に残すことは避けていました。

でもあれから2年ほどが過ぎて、ようやく、今のfineとちゃんと向き合えたような気がする。だからその記録を残したいなと思いました。

あくまでも初代fineオタク兼英智くん単推しが書いている文章ですので、一部お見苦しい点があるかもしれませんが、温かく見守っていただけますと幸いです。


今回の公演でいちばん印象に残ったのは、英智くんの表情がとっても柔らかくなったことでした。
fineに日和くん凪砂くんつむぎくんがいた頃の英智くんは、常に切羽詰まってるような表情をしていた記憶があります。そういう必死さ、切実さに惹かれて目で追うようになったので、決して欠点だと思っていたわけではありませんが、心配ではありました。

fineのメンバーが入れ替わってからは、リーダーになったことでずっと気を張っているような感じがしました。切羽詰まってるわけではなくて、寧ろ優雅に、余裕そうに振る舞ってるんですけど、そう見せるために常に気を配っている感じ。

fineって最初は親しみやすくてファンに寄り添ってくれる身近なアイドルだった(今でいうトリスタみたいな?)んですけど、いつの間にか『王者』『最強』みたいなユニットになっていて。

多分そのリーダーを半ばなし崩し的に引き継ぐことになったことで、英智くんにのしかかった重圧は想像よりもずっと重いものだったのではないかと思います。

英智くんって昔から割と背負いこみやすいタイプだったので心配だったんですけど、今回の公演はすごく楽しそうで、良かったな〜!って素直に思えました。

英智くんのダンスって結構優雅で余裕ある感じなんですけど、今回はなんかすごいキレッキレで。でもそれは切羽詰まってる感じでもないし無理してる感じでもなくって、寧ろ楽し過ぎてリズムに乗ってしまってるような雰囲気で!

これまでもずっとステージに対して真摯な人だったけど、なんか、こんなにステージのことが大好きな人だったんだ……!って初めて知れたような気がしました。


それから、メンバーとすごい仲良くなってるなってのも印象に残りました。特に渉くんと!

英智くんは前からメンバーのことしっかり見てる人ではあったんですけど、一歩引いて見守る感じというか、リーダーとして目を配ってる感じだったんですね。

でも今回は、もう楽しくて目を合わせちゃうって感じで!
渉くんと顔見合わせて笑ってる英智くん、すごいかわいい……無邪気で……え、英智くんってもしかして、18歳なのかな……!?!?(※英智くんは元から18歳です)

渉くんって結構不思議な人で、パフォーマンスはそれはもうすっっっっっっごいけど、正直何考えてるかわかんないな〜とは思ってて。

でもネバステで英智くんと楽しそうに笑い合ってるとこ見てさ〜!英智くんって渉くんのことすごく信頼してるんだな〜って思ったんですよ!あのなんでもひとりで抱え込む英智くんが、こんなに背中預けられる人なんだ渉くんって!知らなかった!!

その事実にすごいびっくりしたし、英智くんがひとりで背負わなくなったことが何よりも何よりも本当に嬉しい!!


あ〜〜fineが仲良しで親しみやすいユニットになってて本当に嬉しい……最初に好きになった4人のことが大好きすぎてもうあれを超えることってないのかなと思ってたけど……今のfine、今まででいちばん好きかも…………

桃李くんは日に日に可愛さに磨きがかかるし、弓弦くんも最近アイドル楽しそうにしてて今後がますます楽しみだし。

あと、渉くんがパフォーマンス全力でぶっ飛ばしてくれるようになったのも嬉しい!

前までは渉くんが全力でパフォーマンスするとちょっと浮いちゃうな……と思うことがあって。たぶん渉くん自身もそれ分かってるから調和させるために抑えてる節あったと思うんですけど。

なんか今のfineって、良い意味で個性が爆発してるからこそ、渉くんの超人的なパフォーマンスもひとつの個性になってて、全力なのにfineとして調和取れてるのがすごい気持ちいいんですよ。

そんなメンバーに囲まれた英智くんも、リーダーとして俯瞰するというより、ひとりのメンバーとしてアイドルをしてくれるようになったことが本当に嬉しいよ……!

なんだかようやく、またfineのことを好きになれて本当に嬉しいです。2年、長かったな〜……。


この流れで書くかちょっと迷ったんですけど、少しだけつむぎくんの話もさせてください。

舞台上のつむぎくんを見たのは2年ぶりです。最後に見たのはfineのつむぎくんで、Switchのつむぎくんは知らない状態で今回のライブでした。

つむぎくんは、fineがごたついてるうちにいつのまにか別のユニット組んでて、それ以降英智くんと現場が被ることもほぼなかったので見る機会がありませんでした。

Switch結成披露の校内ライブではfineと共演してたと聞いて、そのライブの映像は一部だけ見たんですけど、全然雰囲気違くてびっくりしたのを覚えてます。

fineのつむぎくんって責任感強めの優等生リーダーって感じだったので、サブカルっぽい?感じのユニットなの意外だな〜と。髪型とか眼鏡とか全然印象違うし、メッシュ?ピアス?あのつむぎくんが!?ってだいぶ驚いたんですよね。

あぁ、あとSwitchのリーダーやってる逆先くんって、一時期fineと険悪だった記憶だったので、それもちょっと混乱したの覚えてます。(渉くんも加入前はfineと険悪でしたよね……この辺り何があったのかは結局今も分からないままですが……)


で、今回2年ぶりにつむぎくんを生で見た感想なんですけど…………なんというか、語弊があったら申し訳ないんですけど、すごい人間らしくなったな〜と思いました…………。

いやそう言ってしまうと、fineのときは人間じゃなかったみたいな失礼な言い方になってしまうんですけど。

でもなんというかfineのときってそれこそ英智くんもそうでしたけどみんな余裕がなくて。その中でつむぎくんは比較的安定してる方だったんですけど、逆にブレなさ過ぎというか。パフォーマンス自体は完璧なんですけど、なんか心が乗ってない印象もちょっとあって。(悪口とかではないんです!英智推しから見た当時の率直な感想です、すみません……)

でも2年ぶりに見たつむぎくん、すごい楽しそうに踊ってたんですよね。なんかこう、俺を見て!って全身で訴えかけてくるみたいな。あ〜つむぎくんって本当はこういう人だったんだって初めて知れた気がしました。

Switchはすごく個性的なメンバーで、パフォーマンスの方向性が全然違うんですけど、違うからこそステージが華やかなのがすごく良いなと思いました。

今のfineもSwitchも、個々人の色を大事にしてるユニットになっていて、多分それは私が好きだった当時のfineでは考えられなかった場所何だろうなって思います。


『Synchronic Spheres』、全体を通してすごく楽しいライブでした!

ぐちゃぐちゃで活動休止してた頃のfineとか、英智くんがずっとひとりで闘っているみたいだった去年から、こんなに素敵な景色に辿り着けたことにしみじみと感動しちゃいました。

これからもっとfineのこと大好きになれるのが楽しみです!

それから、ようやく気持ちが前に進めたからこそ、久しぶりに日和くんと凪砂くんのことも見てみたくなりました。
次回はEdenが出るらしいので、チケットが取れたらそちらも覗いてみたいと思います。彼らの幸せな今を見届けられたら、今度こそ本当に成仏できるような気がします……!

守沢千秋は赤が似合う

 

初めて五人揃った流星隊の単独を生で見れた。
やっと、やっと揃った。
やっぱり五人が最強だって確信できた。

コメットショウ参戦してきました。感想というか、ここまでの振り返りというか、この感情を残しておきたいのでブログを書いています。

良ければお付き合いしてもらえると嬉しいです。


私自身は守沢千秋くんのしがない新規ファンです。好きになったのは今年の戦隊の千秋くん登場回以降なので、春くらいからです。

テレビで千秋くんを見てかっこいいなと思っていろいろと彼のことを調べました。まずびっくりしたのが、千秋くん自身が戦隊モチーフのアイドルユニットに所属していることでした。

流星隊というユニットで千秋くんはレッドで隊長をしているらしい。メンバーはこの五人で、ヒーローショーを模したライブをするらしい、と調べれば調べるほど流星隊が気になりました。

それから過去の円盤を買って見てみたり、ネットに上がってる動画なんかを見ていくうちに、五人の流星隊が大好きになりました。

私も流星隊のライブに行きたい!生で見てみたい!と思ったものの、流星隊は最近めっきり五人での活動がないらしいと知ってとてもがっかりしました。

いや、普通に五人の方が良くない……??戦隊モノって大体五人だし……??MとかNって何……??色もなんか……バランス悪くない……??千秋くんオレンジって……

多分これ事務所の指示だったんだと思うんですけど、にしてもどういうセンス!?なんでせっかく五人組で戦隊モノを模してるおもしろいユニットをそう調理する!?!?え、全然わからない……事務所は流星隊をどうしたいの……?????

とにかく事務所の意向と全然趣味が合わない……元の流星隊に戻してほしい……とずっと祈ってきました。もちろん祈るだけじゃ何も変わらないので、ファンレターを出したりスタプロやES宛にも要望を送ったりしてました。

私はただ普通に、千秋くんが隊長の、五人の、いつもの流星隊が見たいんだよ!って一心でした。最強で最高な五人に会いたいのに、事務所はどうしてこんなわけのわからない迷走を……どうして……

スタプロだかESだか、他のどこのお偉いさんなのかは分からないけど、とにかく何か大きなものに流星隊が壊されようとしているんじゃないかって不安でした。

さらにその不安に追い討ちするかのように、夏にはCrazy:Bが引き起こした事件がありました。

Crazy:Bが公開したメールは結局捏造だったし、最終的には全部ヤラセだったのかな?とすら思わされる強引なヒーローショーで決着はついたんですけど、私はあの事件がずっと引っかかってました。

捏造メールが公開されてから、それが捏造だと分かるまでの数日間は生きた心地がしなかったと同時に、別に私は千秋くんのこと何も知らないんだなって当たり前のことに気付かされました。

強引に夢から醒まされた、みたいな感じです。

当たり前だけど千秋くんは神さまでもなければヒーローでもなくて、ひとりの人間で。企業に所属する社会人なんだなってことを思い出してしまったんです。

悪いアイドルがいたって、流星隊にはそれを成敗する義務はない。

あのメールは捏造だとしても、普通の社会人としては真っ当な対応でしたよね、あれ。

千秋くんはそんな冷たい人じゃない、って言い切れるほど私は上手に夢が見られませんでした。捏造だと明かされても、一度夢から醒めた後、再び同じ夢を見ることは私には難しかった。

そもそも私はESやスタプロのこともあんまり信用していないので、「捏造でした」という種明かしの方を素直に鵜呑みすることも出来なかった。

本当にCrazy:Bが勝手にやったことだとしたら、とてつもない重罪です。なのに彼らは今でもアイドルとして活動しているし、なんなら最近の流星隊よりよほど活発に活動してる気がします。

流星隊のイメージを守るためにCrazy:Bが泥を被ったんじゃないか。だからCrazy:Bの罪はなんとなくうやむやにされているんじゃないか。

その可能性がゼロではない以上、Crazy:Bのことを憎むことも出来ないし、流星隊を信じることも難しい。

MDMでの流星隊とCrazy:Bのヒーローショーが台本っぽかったのも気になりました。話題作りのためにああいう事件を起こして、悪役としてCrazy:Bが成敗されるところまで予定調和だったとしたら?

もしそうなら、ファンの気持ちをもてあそばれたみたいで嫌だな〜と思います。これもなんの根拠もないですから、やっぱり憎むことも信じることも出来ません。

何が本当だったか分からないからこそ、ずっとモヤモヤしっぱなしでした。

流星隊のみんなはもう解決したことだからって笑うけど、ファンの気持ちはまったく整理ついてないのにな……って。

気持ちにズレがあるのに、そこに上手く寄り添ってくれないことにもモヤモヤしてしまって。

あのメールが実は本物でも、MDMでのヒーローショーが台本でも、別に悪いことはしてないって分かってるんです。

ただ、アイドルってビジネスなんだよね、って当たり前の事実を突きつけられて勝手に落ち込んでしまっただけで。

さらに千秋くんの特撮映画の仕事が決まって喜んだのも束の間、悪役のスーツアクターのお仕事で。

事務所って千秋くんや流星隊のことが嫌いなのかな?最近露骨に干してるよね?とかもう疑いだすとキリがない。

アイドルって、ヒーローって、見ているだけでただただ幸せにしてくれるものだったはずなんだけどな〜、違ったのかな〜、と思いつつ、それでも五人の流星隊のライブを見るまではなんとかしがみつこうって決めてたので、意地だけでファンをやってました。

 

先週、急に五人での単独ライブが決まりました。会場はなぜかあおうみ水族館で、ほんっとに急なのかチケットの先行も告知も何もかもグダグダの謎ライブ。事務所がマジでやる気ないのか、そもそも事務所に話も通してないのか?と疑いたくなるほど。

五人に会える!嬉しい!って気持ちと、でも会って思ってたのと違ったら私はもう千秋くんのファンを辞めるつもりだというネガティブな気持ちと、そもそも全部デマでは?本当に当日ライブなんかあるのか?という疑心暗鬼で、当日まで感情の持っていき方が一切分かりませんでした。

それでもあおうみ水族館に足を運べば私と同じように流星隊のファンっぽい人たちがいっぱいいるし、席もちゃんとあるし、おそらくライブは嘘ではないんだろう……と開演までにやっと現実を飲み込めました。

始まってからもしばらく千秋くんと翠くんが出てこなくて不安でした。奏汰くんも鉄虎くんも忍くんもどこか落ち着かない感じで、え、もしかして揉めてる……??やっぱりこれ、事務所とちゃんと打ち合わせしてないんじゃ……??とかいろいろ考えすぎて全然集中できず。

でも暗転と共に翠くんがやってきて、怪獣の声を当ててるのが千秋くんだって気づいて、あ、演出だったんだ……って安心しました。

それからまもなく千秋くんが赤い衣装を着て現れて、私が何度も何度も動画を再生して聞いてきた、「赤い炎は正義の証」というお約束の台詞を言ってくれました。

あぁ、やっぱり千秋くんは赤が似合うな〜……って改めて確信しました。すごいしっくり来て、初めて見たはずなのに前世からずーっとこうだったんじゃないかってくらい、私の心にぴったり五人の流星隊がはまったんです。

千秋くんがレッドで、奏汰くんがブルー。イエローの忍くん、ブラックの鉄虎くん、グリーンの翠くん。

みんなそれぞれにその色が似合っていて、これ以外ありえないって強く思いました。

千秋くんは、好きな色を聞かれたときはいつも元気よく赤だと答えます。雑誌のインタビューやラジオでは、昔から戦隊ヒーローが大好きで、レッドには強い憧れがあるんだと話していました。

事務所の謎の方針で赤を取り上げられていた時期が長かったけど、やっぱり赤を着てるときの千秋くんがいちばん嬉しそうだなって思いました。

そりゃ千秋くんは、赤が良いよね……ずっとそう言ってたもんね……良かったね……

翠くんの口から「重大な発表があります!」って言われたときはさすがに口から心臓が出そうになったけど、特撮映画に流星隊五人で出演しますって嬉しいお知らせで、本当に良かった。楽しみにしています。

流星隊は最近ずっと干され気味だったし、特撮映画も千秋くんはスーツアクターって聞いてたから、本当にもう流星隊はこのまま空中分解して、アイドルとしての千秋くんは二度と見られないのかもって不安だった。

でも大丈夫だった。流星隊はこれからも五人だよ。事務所もようやく流星隊の魅力に気づいてくれたのかな……方針を見直してくれたのかな……そうだったら良いな〜……

今後のお仕事はもっと五人がただ仲良く平和に笑っていられるようなものばかりだったら嬉しい!私が望んでるのはほんとにそれだけだから!!

一度は夢から醒めちゃったけど、流星隊が五人でいてくれるなら、また何度でも夢を見られる!夢を見せてくれる!

そう信じられたライブでした。
やっぱり流星隊は、五人揃ってこそ、ですね!

娘が青葉つむぎに殺された話

 

 娘が自殺した。


 娘については前回のブログで書いてるので読んでない人はこっち先でお願いします。


 正直まだ全然現実が受け止められてない。あんなに楽しそうにしてたじゃんって気持ちがどうしてもあるし、こんなことなら夢ノ咲なんて勧めるんじゃなかったとか自殺未遂を図った時点で辞めさせるべきだったのかもとか、後悔してもしきれない。
 

 ごめんなさい。書かないと気持ちの整理が出来ないので娘のことを書きます。

 前回の記事でアイドルってすごいな、みたいなことを書いたけど、今となってはアイドルなんて存在しなければ娘は死なずに済んだのに……と思ってしまう私がいる。多分娘が死を選んだのは、青葉つむぎが原因だから。
 

 あんなに元気だった娘がみるみるうちに落ち込んでいった。何があったのかと聞いても、気のない返事ばかりで詳しいことは教えてくれなかった。

 思い返せば元気がなくなったのはfineのライブに行ってからだった。確か娘はすごく楽しみにしていた。これが最後の舞台で、fineの革命が今日で達成されるとかなんとか。何をもってして革命の成功なのか、その辺りが不明瞭で私も詳細は把握できていない。

 最近は私の仕事が忙しくなって、娘の話をちゃんと聞いてあげられていなかった。今思えばもっといっぱい話せば良かった、ちゃんと聞いておけば良かったって後悔ばかりが押し寄せる。

 とにかく娘はすごくそのライブを楽しみにしていたのに、帰ってきたときは思ったより浮かれている様子ではなかった。もっとマシンガントークで感想でも聞かせてくるんじゃないかと思ったけど、娘は心ここにあらずといった雰囲気でぼんやりしていた。

 ライブの高揚感で胸がいっぱいなのかもと思ったし、私自身も疲れていたので娘のことはそっとしておいた。

 しかしその日から、娘は日に日に昔の娘のようになってしまった。何に関しても消極的で、引っ込み思案な元通りの娘。

 母親としては別にそれでも構わなかったけれど、クラスにはやっぱり馴染めなかったんじゃないかと思う。

 最後の革命を成し遂げたことで、恐らく五奇人という人たちはいなくなったか大人しくなったかしたのだろう。

 共通の敵たる五奇人とやらがいなくなれば、また各々が攻撃対象を設定して徒党を組むのは当然のことだった。

 恐らく娘は、またクラスで居心地が悪い状況に逆戻りしてしまっていたのではないかと思う。今思い返せばきっとそうだなと思えるのに、当時は全然気付けなかった。娘はもう生きる理由を見つけたから、私が過剰に心配する必要はない、もう大丈夫なんだって思い込んでいた。


 ある日娘が泣きながら帰ってきた。どうしたのかと聞いても娘はやっぱり何も教えてくれなかった。

 その日から娘は部屋に引きこもって出てこなくなった。もちろん学校にも行かない。

 すごく心配だったけど、下手に刺激しない方がいいんじゃないかとか病院に連れて行った方が良いのかとか、どうすれば良いか分からず私は途方に暮れていた。

 私自身、娘とちゃんと向き合うだけの時間が取れないというのもあった。時間がないのに中途半端に接して、何か傷つけるようなことをしてしまったらと思うと怖くて、ただ娘が落ち着くことを祈りながら毎日仕事に行っていた。


 そうして私が迷うだけで何もせずにいた数日後、娘はマンションのベランダから飛び降りた。

 前回校舎の屋上から飛び降りたときは奇跡的に一命を取り留めたが、さすがにマンションの10階から飛び降りて助かることはなかった。

 つい二週間ほど前まで元気だった娘が、呆気なく死を選んでしまった。もちろん娘にとっては呆気ないなんてものではなく、きっとすごく悩んで、悩んで悩んで苦しんだ末に出してしまった結論だったのだと思う。でも私にとっては、やっぱりその結論は「呆気なく」というほかない。


 娘の部屋にノートが落ちていた。中を開いてみるとものすごく力強い筆跡で文章が綴られていた。

『青葉つむぎ』という文字の隣に『許さない』と綴られているのを見て、これは娘が最後に残したメッセージに違いないと確信した。

 遺書とも呼ぶべきノートは、娘と青葉つむぎの出会いから始まり、娘がおかしくなったライブの日のことも記されていた。

 最後のライブでfineは革命を成し遂げた。そこまでは良かった。しかし彼らはその先については何も言及しなかった。

 そしてその日を境にfineは活動を辞めた。あんなに精力的に活動していたにもかかわらず、急に、だ。

 革命を成し遂げて、その先に明るい未来が待っているはずだった。なのにfineは革命を成した後、散り散りになってしまった。

『日和くんと凪砂くんは転校したし英智くんはまた入院してるみたいだけど、それならつむぎくんだけでもfineとして活動してほしかった……』

 娘の遺書から察するに、青葉つむぎもfineから消えてしまったようだった。

 どうやら青葉つむぎは、fineをやめて五奇人の人間と活動するようになったらしい。娘はそれがどうしても許せなくて青葉つむぎに直接話をしにいったことが遺書には記されていた。

 恐らく飛び降りる直前に書いたと思われる遺書は支離滅裂で、どんな会話の流れで、どんなやりとりを青葉つむぎとしたのかを把握することは難しかった。
 精神的に追い詰められていたであろう娘の主観が大いに入り混じっており、その全容を把握することは難しい。

 恐らく娘は青葉つむぎにどうしてfineを抜けたのか、あるいはどうして五奇人の人間と活動を始めたのか、といったことを尋ねたのだと思う。それに対して青葉つむぎは、傷つけてしまった人たちに償いたい、と答えたようだった。

『傷つけていた?何を?誰を?五奇人は倒すべき悪じゃなかったの?』

 娘の筆致は更に荒くなり、怒りだか絶望だかの激情が渦巻いていたことだけは見て取れた。

『私が傷つけていたのは人間だったってこと?ただ真っ当に活動していただけのアイドルを、私たちは傷つけていたってこと?』
『お前がそう言ったのに、五奇人に立ち向かおうなんて言ったのに、私たちはみんな主人公になれるなんて騙して』
『絶対に許せない』

 娘の遺書は支離滅裂だった。fineへの恨みと共に、五奇人への懺悔が大量に綴られていた。

 自分はいじめられて傷ついた人間だから人の痛みが分かると思っていた。
 でも私は、気づかないうちに同じ人間である五奇人をいじめる側に回っていた。
 みんなそうだから。
 fineがそう言ったから。
 これじゃ私は私をいじめるクズと何も変わらない。
 みんなだってそんな風に何も考えず私をいじめていて、きっと誰もそれに気づかない。私はいじめても問題ない人間だって思われてるから。
 私が五奇人に対してそう思っていたように、私をいじめるみんなも正義感を持ってやってるんだ。考えなしの正義感、同調圧力、曖昧で形のないものに私の人生は迫害されてきたんだ。
 つむぎくんと夢ノ咲学院で再会したとき、fineの活動は最大多数の最大幸福を目指しているのだと教えてもらった。
 ひとりでも多くの人を幸せにしたいし、もちろん君だって幸せにしますと言ってくれた。やる気のない連中に夢を邪魔されるなんて嫌ですよね、努力は報われるべきでしょう、だから俺たちと一緒にこの学院を革命しましょう、って手を差し伸べられた。
 私はつむぎくんだけが私を助け出してくれるんだって思った。私がつらいのは私のせいなんかじゃなくて、五奇人とかいうやつらが全部全部悪くて。
 最大多数の最大幸福って、みんなを幸せにする魔法なんかじゃなかったんだね。考えたら分かることだけど、私は考えることをやめていた。つむぎくんが難しいことは考えなくて良いって言ったから。
 つむぎくんは神様じゃなかったの?
 私を救ってくれるんじゃなかったの?

 そのあとにはびっしりと『許さない』という文字が書き殴られていた。
 そして、『夢なんか見たくなかった』という文章を最後にして、以降は白紙だった。


 結局、夢ノ咲学院で何が起きていたのか、部外者の私には何も分からない。どうしても娘の自殺の真相が知りたくて何度もネットで検索しているけれど、一切の情報が出てこなくて気味が悪いくらい。

 誰が悪くて誰が悪くないのかも、ちっとも分からない。娘の一方的な逆恨みなのか、結局のところ五奇人という人たちが諸悪の根源なのか、それともみんなfineに騙されていたのか。

 青葉つむぎが娘に接触した意味はあったのか。それとも意味なんてなかったのか。


 『青葉つむぎ』と検索すると、十歳前後の子供の画像が表示される。たれ目で優しげな表情から察するに、これは青葉つむぎ本人の幼少期に撮影されたものだと思われる。

 聞いたこともないような事務所に所属しているらしい彼は、どうやら小さな頃からアイドルとして活動していたらしい。

 プロフィールには「立派なアイドルになって、みんなに夢を与えたいです」と書かれていた。

 『夢なんか見たくなかった』という、娘の遺書に書かれていた文言が脳裏から消えなくて、私はなんとも言えない気分になった。


 青葉つむぎは計算の上で娘に近づいたのか、悪意があったのか、今となっては知るよしもない。

 けれど青葉つむぎとあの病院で出会うことさえなければ、娘はこんなことにはならなかったのかもしれないと思うと本当にやりきれない気持ちでいっぱいになる。

 やっぱりアイドルなんてさっさといなくなればいいのに、と思ってしまう。

 甘い夢だけ見せる無責任な存在のせいで、振り回されて娘は殺されたんだ。

 

娘が青葉つむぎに救われた話

 

 アイドルって最近すっかり落ち目になったと思っていた。

 氷鷹誠矢とかは今でもたまにテレビで見かけるけど、それ以外のアイドルってみんな似たり寄ったりでよく分からない。一昔前は佐賀美陣とか人気だったけど、不祥事かなんかで消えて以降は全然見なくなった。佐賀美陣みたいにパッとするアイドルももう全然出てこないし、完全に終わってるな〜と思っていた。

 私が小学生の頃の卒業文集にはみんなこぞって将来の夢の欄にアイドルなんて書いてたのが嘘みたい。今の子供は何になりたがるんだろう。


 私の娘はいま高校二年生で、声優を目指して夢ノ咲の声楽科に通っている。声優という夢が世の子供たちにとってどのくらい人気の職業なのかは分からないけど、昔からアニメが好きだった娘は小学生の頃から声優に憧れていた。

 中学の頃から学校を休みがちだった娘が、家からでも無理なく通える高校となると自ずと選択肢は限られた。そんな中で、夢ノ咲には声楽科があった。

 普通科よりもこういう専門的な学科に進学する方が夢への近道ではないかと思い、私が娘に受験を勧めた。

 しかし実際は声楽となるとクラシックなどの勉強をして歌の訓練をするらしく、声優とは少し違ったそうだ。

 娘は思っていたのと違う高校生活に徐々に落胆し、塞ぎ込むようになってしまった。

 中学時代の娘はクラスに馴染めなかった。上手く波長が合わず、無視されたりからかわれたりすることが何度かあったらしい。それから娘は中学にほとんど行かなくなった。

 高校生活こそは楽しく過ごしてほしいと願っていたのだが、結局高校のクラスにもあまり馴染めていない様子だった。

 元から引っ込み思案の娘は人前で歌うことが苦手であるため成績が悪く、教師からあまり好かれていなかったらしい。

 それに夢ノ咲にはアイドル科があり、そこに通うアイドル目当てで声楽科に在籍している人間も少なくないみたいで。真面目に授業に取り組むような雰囲気でもないのだと娘から聞かされていた。

 いつも浮ついた雰囲気のクラスメートたちは、娘のような大人しい性格だとなかなか波長が合わなかったようで、娘は中学時代と同じように無視されるようになってしまったみたいだった。


 娘が自殺を図ったのは、娘が二年生になったばかりの頃だった。

 後者の屋上から飛び降りたと聞いたときは血の気が引いたけど、運良く木の上に落ちたことで一命を取り留め、自殺未遂で済んだ。

 娘は奇跡的に生き延びたけど、もちろん無傷では済まず。全治3ヶ月の重傷を負い、入院することになった。

 娘は精神的にも良くない状態だったから、学校から離れる口実が出来たのは良かったと思った。しばらく病院で安静にして、これ以上学校に通うのがつらいのであれば退学したって良い。人生はまだ長いのだから、選択肢はいくらでもある。とにかく私は、娘が元気になることだけを祈っていた。


 ある日娘のお見舞いに行くと、久しぶりに娘の方から私に話しかけてくれた。その日はずいぶんと顔色も良く、どこか嬉しそうだった。

 何があったのかと聞くと、夢ノ咲のアイドルと話せたという。

 青葉つむぎ、と彼は名乗ったそう。

 私は今のアイドルにはまったく明るくないし、そもそも夢ノ咲生ということはアイドルのたまごのようなものだ。まだ世間に名も知れてないそのアイドルと話せることにどれほどの価値があるのか、私にはよく分からなかった。

 だけど娘はすごく嬉しそうだった。アイドルと話せたことが嬉しいというよりは、青葉つむぎという人物そのものの優しさに惹かれている様子だった。

 彼は友人のお見舞いでこの病院にお見舞いに来ていたらしい。生まれつき病弱なクラスメートがこの病院のいちばん大きな個室に入院しているそうで、青葉つむぎは彼に宿題を届けるために足繁く通っていたのだとか。

 その友人の名を天祥院英智と聞かされて、あの天祥院財閥の!?と私はそっちに驚いてしまった。けれどあまり世間のことを知らない娘は天祥院の名にはまったくピンと来ないらしく、それよりも寧ろ青葉つむぎの話を聞いてほしいと私にせがんだ。

 青葉つむぎと最初に出会ったのは病院内のエレベーターだったという。娘はエレベーターに乗り合わせた青年が夢ノ咲の制服を着ていると気づいた瞬間に、死を考えるほどにつらかった学校生活のすべてがフラッシュバックして意識を失ってしまったと言っていた。

 目が覚めたとき、娘は病室のベッドの上にいて、そばに先ほどの彼が控えていたのだという。娘は叫びそうになったみたいだけど、それよりも先に青葉つむぎが「大丈夫ですか!?」と叫んだらしい。

 娘が呆気に取られていると、青葉つむぎは「大きな声を出してすみません、あまりにも君が心配だったので、つい……」と声を掛けてくれたらしい。

 娘はこれまでの人生でまともな人付き合いをしたことがほとんどなく、男の子と話したことなんてほぼ皆無に等しかったものだから、自分がイメージするよりずっと優しい男の子だった青葉つむぎにすぐに気を許したようだった。

 自分も夢ノ咲に通っていることを青葉つむぎに話すと、彼は「同じ学校だなんて嬉しいです!」と笑顔で応えてくれたらしい。

 すっかり娘は青葉つむぎを気に入っていた。青葉つむぎの方は、天祥院財閥の御子息のお見舞いのついでに娘の病室にも頻繁に顔を出してくれるようになったようだ。

 ただの一般生徒の私にも優しくしてくれるなんて、つむぎくんは神様みたいな人だよね、と娘は嬉しそうに話していた。日に日に明るくなっていく娘の様子に、私自身もほっとしていた。


 天祥院財閥の御子息の体調が回復し、青葉つむぎはあまり病院に来なくなった。その頃には、娘の退院日もやってきた。

 自殺を考えてしまうほど行きたくない学校なら行かなくても良いと娘に伝えたのだが、なんと娘は学校に行きたい、と言った。

 つむぎくんと同じ学校に、私も通いたい。娘は目を輝かせて言ってくれた。自殺未遂直後の娘からは比べ物にならないほどに前向きな様子で、私もこれなら大丈夫だろうと復学を後押しした。


 青葉つむぎというアイドルを私は知らなかったけれど、自殺未遂に至った娘にもう一度希望を持たせ、学校に戻れるまでに元気づけてくれた功績は偉大だと思う。まだ無名であろうとも、彼は立派なアイドルだ。

 その頃から、fineの名前をよく耳にするようになった。

 娘から聞かされているというのもあるし、娘に名前を聞かされて意識しているから目につくというのもあるのかもしれない。それでも、アイドルファンではない私の目にも、fineは活躍しているように思えた。

 それまでは娘から話を聞かされるだけだったから顔すらも知らなかったけれど、今年の夏頃からは雑誌なんかでもよく見かけるようになった。

 fineの青葉つむぎという人は、ユニットをまとめるリーダーだそうだ。爽やかそうな好青年で、たれ目なのが優しげな雰囲気を醸し出していて好感が持てる。
 
 青葉つむぎは娘から聞かされていたイメージそのままの青年だった。


 最近、娘はずっと活発になった。去年までの娘は学校の授業にはついていけないし、思い描いた学校生活でないからと何に対しても消極的だった。しかし退院して再び学校に通うようになってからは人が変わったみたいにアクティブだ。

 どうやら今でもクラスにはあまり馴染めていない状況は変わっていないらしい。しかし、嫌がらせは前ほどひどくないという。

 何やら今、夢ノ咲学院には五奇人という悪い人たちがいて、みんなはその人たちと戦うことに必死で娘には目を向けなくなったらしい。寧ろ娘も、積極的にその戦いに協力しているとのこと。共通の敵を見つけると人は団結できるというのは間違いではないのだろう。

 青葉つむぎが所属するfineは、そんなみんなの旗印なのだという。何だか本当に戦争じみていて、娘の話を聞いていても私には何が起こっているのかあまり理解はできない。ただ、学生の闘争というものはいつの世でも苛烈なのだな、と思うだけ。
 

 fineは夢ノ咲学院を革命したいのだという。革命なんて大袈裟な、と思うけれど、彼らは本気でそれを成し遂げようとしているようだ。

 娘はそんな彼らのために、つむぎくんのために、もう少し生きてみたくなった、と言っていた。

 彼らは弱者の味方を謳っている。天才だけが持て囃される学院じゃなくて、誰もが主人公になれる学院にしたいと。それは、人前で歌うことが苦手で成績が振るわない娘にとって希望なのだと思う。たかが学生のお遊び、などと笑い飛ばすことはできない。少なくとも娘にとって、この革命は、fineは、生きる意味なのだ。


 アイドルなんて落ち目だと思っていたけど、もしかしたら何かが変わるのかもしれない。少なくとも娘の人生はもう変わった。アイドルのおかげで前向きになれた。それだけでも私は、アイドルという存在に救われた。

 佐賀美陣のようなスーパーアイドルはもう出てこないのかもしれないけど、まだまだアイドルは捨てたものではなさそうだなと思う今日この頃。

夏ぶりに見た天城燐音はアイドルでした(BNSレポ)

 Crazy:BとALKALOIDの合同ドリフェス『BRAND NEW STARS‼︎』(通称BNS)に参加してきた私の感情メモです。要約すると天城燐音くんというアイドルに出会えて本当に幸せだな〜というだけの話です。今のこの幸せな感情を未来永劫ずっと覚えていたいなと思ったのでブログを書いています。

 

 Crazy:B、特に天城燐音くんに関しては数ヶ月前の例の件もあるので、未だに好きになれないよって方が多くいるのも分かっています。でも今は彼も立派にアイドルをやっているんです……。
 無理に好きになって欲しいわけではないし許せない方がいるのも理解していますが、夏頃のことしか知らない方に少しでも今の燐音くんやCrazy:Bのことを知ってほしいなという気持ちがあります。
 BNSで私が見た燐音くんは、本当にアイドルやライブが大好きで、お客さんを大切に出来る人で、胸を張ってアイドルと名乗れるような素敵な人でした。
 もしよければ少しだけ、ファン視点の燐音くんの話を聞いてください。


 私が燐音くんを初めて見たのはUNDEADのドリフェスでした。そうです。ES界隈でオタクをやっている方なら恐らくほぼ全員が知ってるあの事件の日です。
 当時の私にはこれといった推しはいなかったのですが、UNDEADのことはメンバー全員が高校生だった時期から緩く推してました。まあ女子って結局ああいうちょっと悪い雰囲気の男好きじゃないですか。それくらいの緩さでたまにライブに行ってました。
 あの日もたまたま仕事が早めに終わったのでチケット押さえたくらいだったんですけど、正直ESが出来てからのUNDEADってちょっと物足りないな〜って気持ちは多少あって……。
 というのも私は薫くん推しだったんですけど、だ〜いぶ丸くなったじゃないですか彼……夢ノ咲の頃ってかなりその……やばかったじゃないですか……(笑)
 薫くんのヤンチャさとか適当さが好きだったので、卒業してから急激に大人びてしまったのがすごく寂しくて。
 なのであの日、いきなり舞台に上がってきた燐音くんが語った内容はまさに私のもやもやそのものの言語化で。急に私の気持ちを代弁する人が出てきた!?ってかなりドキッとしたのを覚えてます。どう考えてもやばい人なのに、なんで私のこと分かるの!?と。
 確かに燐音くんの言い方はキツかったし、晃牙くんを蹴り落とした?(私の席からは見えなかったんですけどそういうことになってますよね)のはやり過ぎだし、思うところがなかったわけじゃないです。でも私はあの時、この人の掌の上で転がされるのってすっごく楽しいんじゃないか、って期待しちゃったんです。

 

 それから数日後に、アイドルロワイヤルがありましたよね。これもまあ、今でも思い出したくない方がたくさんいるのは知っていますが、私にとっては天城燐音くんを推すことを決めた運命の日でもあるので書かせてください。

 

 アイドルロワイヤルにCrazy:Bが出るという発表はなかったですが、当時の状況を鑑みるにCrazy:Bが主催だってことは火を見るより明らかでした。だから私はすぐにアイドルロワイヤルのチケットを押さえました。

 

 アイドルロワイヤルは特殊なドリフェスで、観客にチップが配られてギャンブルをする、みたいなイベントでした。
 私は元からCrazy:Bを見るために参加していたのでずっとCrazy:Bに賭けていました。パフォーマンス前にチップを全部賭けるルールで実質人気投票だったので、まさか流星隊や紅月に勝つとは思いもしませんでしたが……。まあ半ば煽られる形で急遽出演が決まった彼らには分が悪かったですよね。会場はCrazy:Bを見にきた観客が大半でしたし……。

 

 そういう意味ではアイドルロワイヤルってすごく性格の悪いステージだったなと思います。事務所にやらされていたのか、燐音くんが自発的にやっていたのかは今でもよく分かりませんけど、MDM前夜祭で燐音くんが語っていた通り、あの一連の燐音くんたちの所業は全部事務所のせいってわけではないんだろうなってことは私もさすがに察してます。

 

 アイドルロワイヤルでは、稼いだチップの数でアイドルと個別に接触できる時間が別途設けられていました。私は最初からCrazy:Bに賭け続けていたのでチップは死ぬほど持っていました。なので、燐音くんとじっくり話をする時間をもらえました。

 

 会話の詳細は伏せるんですけど、そこで私は「この人すごく追い詰められてるんじゃないか」って漠然とそう感じました。燐音くんはステージ上では軽薄で口が悪くてどうしようもない感じですけど、二人で話したときはもうちょっとまともというか……上手く言えないんですけど。無理して悪ぶってるような気がしたんです。本当は何か訴えかけたいことがあって、でもそれを伝える術がないから手当たり次第に攻撃しているような……。それでいて、すごく頭が良い人で、思慮深い人なんだろうなとも思いました。
 だからアイドルロワイヤルっていう邪悪かつ巧妙なルールのドリフェスを、燐音くん自身で考えて実行していたとしてもあまり違和感はなかったです。

 

 そこまでしてこの人が叶えたい夢ってなんなんだろう、って考えているうちに、私は完全に燐音くんに夢中になっていて、燐音くんのことを推そうって決意してました。
 なんでこんな狡猾な人間だって知った上で推そうと決めたのか、この辺は私の中でも未だに感情の整理がついてないんですけど、もう燐音くんのこと無視出来なくなってしまった、がいちばん近い感情だったのかな、と思ってます。

 

 それからMDM前夜祭での引退騒動ですね。
 あのときの燐音くんが語った言葉はほとんど全部みんなから嫌われるためについた嘘だったんだろうなって思ってるんですけど、「お前らのこと大嫌いだったよ」って燐音くんが叫んだことだけはずっと胸に引っかかってました。(これはBNS見るまで引きずってました正直)
 燐音くんのこと応援したいなと思う私の気持ちって邪魔だったのかなとか燐音くんを追い詰めていたのかなとかアイドルちっとも楽しくなかったのかなとか本当にもうやめちゃうのかなとか、不安で不安で。

 

 だからMDMの本戦で再び燐音くんの顔が見れたときには冗談抜きに大号泣しました。
 アイドルを夢見て一生懸命活動していたけど、去年のSSでのコズプロのごたごたに巻き込まれて思うようにアイドル活動が出来なくなったこととか、その結果クビ寸前まで追い込まれていたこととか、正直に話してくれて嬉しかった。燐音くんもちゃんとアイドルが好きなんだって知ることが出来たのも嬉しかった。何より、もう一度ここからアイドルを頑張ろうって思ってくれたことが本当に嬉しかった。

 

 色んな人に迷惑をかけた過去は消えないし、未だに恨まれていても仕方ないことをしたのは事実だけど、そういう事情があったことも少し思い出してもらえたらな、といちファンとしてはずっと思っていたので改めてあの夏の騒動を振り返らせてもらいました。

 


 さて、話が長くなってしまったのですが、そのあとCrazy:Bはしばらく干されていました。いくらファンが増えたといえどもあれだけやらかしてますから事務所としてもさすがにすぐに売り出すわけにもいかなかったんでしょうね。
 ゲリラライブはやってたみたいなんですけど、本当にどれもこれも急すぎてライブ後にTwitterでその存在を知る、みたいなことばかりで……。
 ホットリミットは開催1週間前に一応告知出てましたけど、その日はどうしても外せない出張が入ってて行けず……。

 

 なので、私にとってBNSは、夏ぶりのCrazy:Bの現場でした。

 

 BNSが発表されたときは、良い子が多いALKALOIDと一緒で大丈夫かな迷惑かけないかな……みたいな心配は多少ありました。
 実際ALKALOIDファンからはCrazy:Bってまた何かやらかすんじゃ……って言われてるのも見かけましたし、Crazy:Bファンのこちらとしても彼らが何もやらかさないとも言い切れないので……正直これ以上敵は増えてほしくないなと思っていたので、何事もなく無事に終わりますように……と祈っていました。
 けれどそんな私の心配はどうやら杞憂だったみたいです。

 

 というかCrazy:B、めちゃくちゃ仲良くなってるじゃん…………!?ってのがまず最初の印象でした。(最初の2曲は久しぶりの燐音くんに興奮しすぎてマジで記憶ないです。MCくらいからようやく意識取り戻しました)

 

 夏頃に見たCrazy:Bって基本的に燐音くんが独断専行してる感じというか。他のメンバーは気乗りしなさそうな感じで(まあ当たり前ですが……)、なので燐音くんがアイドル復帰したとしてもCrazy:B自体はこのまま干されて自然消滅もあるかなと思ってたんです。メンバーの誰もユニットに思い入れなさそうだったし、事務所的にも扱いづらいだろうし。
 ですが、私が見れなかった数ヶ月の間に結束力が高まっていて驚きました。みんなめっちゃアイコンタクトするじゃん……そんな……そんな感じでしたっけクレビって!?

 

 ニキくんは元からテンション高めでしたけど、割とダンスが緩いというか。ニキくん自身も特に隠してませんでしたが、あ〜全然アイドル興味ないんだろうな〜って丸分かりな感じだったんですよ(笑)
 だったんですけど、BNSでのニキくんは楽しそうに跳ね回るし、ファンサも楽しそうだしMCでもいっぱい客席に声かけてくれて、別人か!?ってくらいアイドルでした……。
 ホットリミットくらいから変わったって話は聞いてたんですけど、まさかこんなに違うとは……自分の目で見ると想像していた以上の変化でした。
 どうもニキくんは燐音くんに強引に誘われてアイドルをやっていたっぽいのでなんかごめん……みたいな気持ちもあったのですが(笑)、今はニキくんの意志でアイドルを続けてくれてるのかな? だとしたらすごく嬉しいな〜と思います。

 

 HiMERUくんは気難しそうなところは全然変わってなくて、メンバーに対してため息ついてる場面も多く見かけましたけど(笑)、笑顔が増えたな〜と思いました。HiMERUくんってこんな笑ったっけ……??ていうかHiMERUくんが笑ってるとこ見たことあったっけ私……???
 あまり感情が顔に出ないタイプなのかな〜と思うので分かりづらいけど、多分楽しんでたんじゃないかな〜と思いました。(ところでHiMERUくんがアンコールで一緒に歌いたくなかったALKALOIDのメンバーって誰なんだろ笑 ステージ上で言えるくらいだからそんな深刻じゃないと思うけど、こはくちゃんがうっかり口滑らせた可能性もあるので大丈夫なのかなと……笑)

 

 こはくちゃんは夏に初めて見たとき、15歳とは思えないほど大人びた印象というか、ずいぶんしっかりしてるな……と思った記憶があるんですけど、逆に今回は無邪気な姿が見れてすっごい可愛かったです。
 最終日にテンション上がっちゃって「ヤーヤーヤー!」って出てきたのとかめちゃくちゃ可愛かったな。燐音くんとニキくんがそれを煽てて、HiMERUくんがため息ついてるの、Crazy:Bっぽいな〜と思いました。

 

 「Crazy:Bっぽい」がなんなのかよく分からないですけど。
 多分これまでのイメージだととにかく柄が悪くて態度がでかくて不穏みたいな……そういうのがCrazy:Bっぽさだったと思うんですけど。
 今回のBNSでの4人の気安くて軽薄で明るいノリが、初めて見たはずの空気なのに不思議とそれがCrazy:Bっぽいなって思えたんですよね。
 そう思えた瞬間に、あー私このメンバー好きだなって思いました。いつ解散してもいいやって思っていたけど、今はこの4人で今後もずっと一緒にアイドルしてくれ……!って思ってます。

 

 「Crazy:Bっぽい」と言えば、セトリの最後にBe The Party Bee!を持ってきてくれた理由が「最後だからってしんみりするのは自分たちらしくない」「最後まで楽しんで気持ちよく帰ってほしい」だったのすごい嬉しかった。それが自分たちらしさになったんだね、君たち……ってなんだか親みたいな気分になってちょっと泣いてしまった……(笑)

 

 話は逸れてしまいましたが、最後に燐音くん。
 夏頃はひとりで全部背負いこむみたいに突っ走って、どこかメンバーのこと見えてない節もあったんですけど。BNSの燐音くんはCrazy:Bのメンバーだけでなく、ALKALOIDのメンバーのこともしっかり見ていて、ちゃんとリーダーやれてるなと思いました。なんか偉そうな言い方になってしまうんですけど……。
 アイドルロワイヤルで直接話したときに感じた理知的なところが、ほんの少し垣間見えたような気がして。あのとき私が燐音くんに抱いた好きって気持ちが肯定された気がして、報われた気がして、たまらない気持ちになりました。

 

 よく喋る燐音くんとニキくんに比べて、HiMERUくんとこはくちゃんはあまり喋るタイプじゃないみたいなんですけど、燐音くんはそういうところちゃんと見ていて、あえてツッコミやすいようにひょうきんな振る舞いをしてるのかな?と思いました。
 2日目だったかな?観客にペンライト振ってね〜っていうくだりで、煽る役目をこはくちゃんに任せてたのが印象的でした。こはくちゃんは「わしか!?」って驚きつつも楽しそうに客席を煽っていて、あ〜燐音くんって優しくて良いお兄ちゃんなんだろうな〜って微笑ましくなりました。

 

 優しいと言えば、ニキくんが「燐音くんは意外と優しいとこある」って2回も言ってくれてて、誤解されやすい燐音くんのフォローしてくれるとこはニキくんもすごい優しいな〜と思いました。燐音くんは照れ隠しなのかなんなのか「おいニキ〜!」って怒ってたけど、全然本気じゃなかったですね(笑)
 この二人は夏頃から変わらず安定の仲の良さで微笑ましい。

 

 お茶目な燐音くんとしては、最終日のアンコールでテンション上がりすぎて逆側にはけようとしちゃったところも挙げたいです!
 基本的にはリーダーとして意外としっかり進行してるし、いつまでもはけないニキくん連れ戻したりして偉かったんですけど、最後の最後に素でやらかしててほんっとに燐音くん今楽しいんだろうな〜って見てるこっちは笑ってしまいました。

 

 あと、藍良くんが提案した客席のウェーブをキラキラした顔で見てた燐音くんも忘れられないなあ。敵ばかりのステージに立って気を張ってる燐音くんしか知らなかったから、あんな風にファンのこと愛おしそうに見るんだ……って初めて知れてもっと好きになってしまった……!


 初日の自己紹介で燐音くんが「みんな大好き、天城燐音くんで〜す!」っていつものおちゃらけた調子で名乗ったとき、一瞬不安になってしまったんです。またそんなこと言って敵増やすんじゃないの?もっと殊勝にした方が良くないかな?って。
 でも、燐音くんはこの3日間で「みんな大好き天城燐音くん」を本当にしてしまった。少なくともBNSに参加した人たちはみんな、燐音くんの誠実さとか頭の良さとかお茶目さとか、そういう良いところをいっぱい目にして好きになってくれたと思うんです。有言実行の燐音くん本当にかっこよくてかっこよくて、やっぱり大好きだーーー!!って強く思いました。


 MDM前夜祭で燐音くんが「お前らのこと大嫌いだった」って言ったこと、ずっと胸に刺さって抜けなかったんですけど、BNS見て完全に吹き飛びました。あんなに楽しそうにアイドルやってて、会場のみんなを盛り上げて、ファンにはすごく優しい表情でファンサしてくれて、大嫌いなんて嘘だったんだよね、ってやっと心から思えるようになりました。
 アンコールで「楽しかったか?」って何度も聞いてくれるのも、楽しかったよって私たちの声に「愛してるぜ」って返してくれるのも、本当にすっごく嬉しくて。天城燐音くんは私たちが愛しても良いアイドルだし、天城燐音くんは私たちファンを愛したいって思ってくれてるんです。誰がなんと言おうと絶対にそうなんです。
 そう確信できるほどにライブで満たされてしまって、燐音くんを応援できることが本当に幸せだなって改めて噛みしめてる!噛みしめてるどころじゃない、大好きだーって叫びたいほど!


 夏頃の燐音くんは、やっぱり追い詰められていたんだろうなと思います。クビ寸前で事務所の偉い人に命令されて自棄になって傷つけなくて良い人たちまで傷つけた。それを「仕方なかったんだよ、燐音くんは何も悪くないよ」って私たちファンが庇うことはきっと燐音くんの本意ではないと思うし、傷つけられたアイドルやそのファンにいい加減に許せって迫るのも違うと思ってます。
 でも、彼が本当に夢見たアイドルってきっとこれだったんだ……誰かを傷つける人じゃなくて、みんなに愛されるアイドルになりたかったんだって、今の燐音くんを見れば断言できます。
 今はまだ難しいかもしれないけど、いつか燐音くんがあなたの推しと同じステージに立ったとき、どうか少しだけ色眼鏡を外してほしい。彼もアイドルだって認めてほしい。燐音くんは立派なアイドルになれたんです。少なくとも私は今、燐音くんのおかげで幸せです。

 燐音くんは間違いなく、人を幸せに出来るアイドルです。

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最近の月永レオについて

 

 

 

 

最近のレオくん、めちゃくちゃ雰囲気柔らかくなりましたよね。

 

私の友達はみんなES後のファンなので昔のレオくん知らなくて全然共感してもらえないんですけど、多分高校時代知ってる人には結構分かってもらえるんじゃないかなと思ってます。

 

私自身も古参ってわけじゃないので復帰後のレオくんしか知らないんですけど、なんとなく急に消えそうな雰囲気なかったですか??

 

ていうか実際、めちゃくちゃ消えてましたよね(笑)
ライブいたりいなかったりし過ぎてほんっと意味わかんなかったですw

 

正直毎度レオくんいるかいないかガチャだったの当時結構きつくて。事前に言われてればこっちもチケット手放すとか出来るんですけど、メンバーすら当日まで全然把握してないっぽくて(笑)
あーこれマジで無理なやつなんだなと思いつつやっぱり貴重なレオくんチャンス逃したくなくて毎度チケット押さえるアホな私……(笑)

 

ほんと自分勝手な人なんだなーと思ってました。メンバーにすら連絡もなく無断欠勤ってさすがにやばすぎでしょ。今思い返してもありえんすぎて笑う。

 

それでも私はレオくんに振り回されるのちょっと楽しんでたんだな〜って思います。DV彼氏にたまに優しくされただけで惚れ直す的な。たま〜に現れるレオくんがめちゃくちゃキレッキレのダンスを踊って、お姫様って呼んでくれるだけで、やっぱレオくん好きだ!!!になっちゃって(笑)
大体友達に話したらそんなやつやめときなって言われるんですけど、でもやっぱ好きなの!!ってあーでもないこーでもないって愚痴ってるのも楽しんでたのかなあと今になってみると思います。

 

ま、私はそういう一種のプレイだと思って乗り切ってたとこあるんですけど、メンバーはレオくんのことどう思ってたのかな〜ってのは気になります。Knightsの曲全部レオくんが作ってたから何も言えなかったのかな? 
いくらすごい人でもあそこまで無茶苦茶だとさすがに……ってなりそうなもんだけど、レオくんがたまに出てきたときはメンバーもみんなちょっと嬉しそうで、そういうもん……??って不思議でしたね。

 

レオくんが丸くなったから私も今は笑ってネタに出来るんですけど、当時はかなりきつくて。良くなかったな〜って思うんですけど、レオくんに当たっちゃったこともありました。
なんでちゃんとステージに立ってくれないんですか、あなたのファンも来てるのにあんまりじゃないですか、って。
そしたらレオくん、心配かけてごめんなお姫様、って言いながら手を握ってくれたんですけど、その手がめちゃくちゃ冷たかったんですよね。
レオくん自分でも冷え性って言ってるので元々体温低めなのかな〜って思うんですけど、当時は私も精神状態がまともじゃなかったしレオくんもかなりめちゃくちゃだったので、なんかあの手の冷たさに謎にゾッとしたんですよね……。

 

多分レオくんはアイドルが好きじゃないんだな〜って思ってました。
それこそKnightsの曲もそれ以外の有名な曲もバンバン作ってる超すごい作曲家なのに、わざわざアイドルしてる理由もよく分かんなかったですし。
去年一時期休止してた時期も、海外で作曲の仕事してたみたいなので、やっぱり根っこが作曲家なんだろうなぁと。


だからレオくんを見れるのも今年だけかなと思って、尚更現場に通う日々に……。


私はアイドルのレオくんが好きなのにレオくんはそうじゃないのかなと考えたら虚しいなと思ったこともあったんですけど、逆に好きでもないのにわざわざアイドルとして私の前にいてくれてありがとうって気持ちの方が強かったですね。

 

レオくんと泉くんが卒業するタイミングで私も大学卒業して就職って時期で忙しくなりそうだったので、ショコラフェスが最後の現場になるなと思って一応レオくんに卒業後どうするのか聞いたんですよ。


アイドル辞めちゃうんですかって聞いたら、「どうだろうな〜まだ考え中!」って笑われました。


いや、普通ファンの前では続けるよとか嘘でもいいから言わないですか!? 考え中って濁される時点でやっぱ腹は決まってるんだなと悟ってめちゃくちゃ泣きました。

あのとき順番的に司くん最後だったんですけど私がめちゃくちゃ泣いてるの見てすっごい慌ててました(笑) 司くん不審者でごめんなさい……(笑)

 

その次にレオくん見たのがフィレンツェでの戴冠式でした。もちろん現地は行けてないんですけど、ライブ配信あったのでそれで。


いや、アイドル続けるんかい!ww


って思っちゃいましたね正直。
絶対アイドル嫌いなのに!?まだアイドルやるの!?えええ!?ってマジでびっくりしました。
まぁリーダーが司くんに変わったのは色々あるんだろうな……(察し)って感じでしたが。
返礼祭は行けてないんですけど、なんかあそこでもアイドル辞める辞めないとかいう話でごちゃごちゃしてたみたいなので、無理してまでアイドル続けるの意味わかんないなーってのが正直なとこでした。

 

けど、なんか結局今の形がレオくん的には良い距離感なんですかね。
リーダーとして引っ張るタイプでもないし、コンスタントにアイドルの仕事こなすのも難しそうでしたけど、リーダーを司くんに譲って、たまに日本に戻ってきてライブをする程度の今はレオくんとても穏やかに笑うようになったなと思います。


やっぱりレオくんが王さまとしてパフォーマンスを引っ張るKnightsじゃないとちょっと物足りないなって思っちゃうこともあるんですけど、まあ急にいなくなるよりよっぽどマシですし……(笑)

 

レオくんにとってアイドルってなんなんですかね。去年は怖くて聞けなかったんですけど、今の楽しそうなレオくんになら聞けそうです。


ま、Knightsさんめちゃくちゃ人気になっちゃったので接触とかもう二度と無理そうなんですけどね!!(泣)


もし機会があったら聞いてみたいです。出来ればその答えが前向きなものだったらいいなって思います。


レオくん、アイドルは好きですか?

五奇人というトラウマの話

 

 


 なんとなく眠れなくてテレビをつけたら、アイドルが何グループか出演しているチープなバラエティ番組が放送されていた。その中に、見覚えのあるアイドルを見つけた。
 逆先夏目くん。忘れもしない、私のトラウマだ。
 画面の中の彼は笑っているけれど、私の記憶の中の彼は、唇を噛み締めて、ステージを睨みつけていた。今にも泣いてしまいそうで、それでいて殺意を孕んだあの目を、たぶん私は一生忘れられない。

 

 どうせ眠れないので、私のトラウマとなった出来事について綴ってみようと思う。完全に主観だし、もう1年以上前のことで記憶も曖昧な部分があるから、あくまでも話半分に読んでもらいたい。

 

 2年くらい前の私はミーハーなドルオタで、Valkyrieの仁兎なずなくん*1にハマって夢ノ咲学院のライブに足を運んでいた。
 家が近所だったことと、友達が熱心な巴日和推しだったこともあって、私もそれなりの頻度で夢ノ咲学院に通っていた。
 当時のValkyrieは夢ノ咲の中でも一線を画す実力で、そのリーダーであり演出の全てを手がける斎宮宗くんは「五奇人」と呼ばれていた。

 

 「五奇人」という言葉に聞き覚えがある人はどれくらいいるだろうか。最近アンサンブル・スクエア、通称ESが設立されてから夢ノ咲出身アイドルが爆発的に人気になっているのだと風の噂で聞いている。そのタイミングでついた新規ファンには耳馴染みのない言葉だと思うし、知らなくても全然問題ない、過去の遺物だ。
 すっかり聞かなくなった呼称である「五奇人」だけど、夢ノ咲を見てきた人にとってはたぶん良い印象はない言葉だと思う。完全に悪の象徴みたいになっていたし、実際私も五奇人のことはかなり嫌っていた。
 五奇人とは、朔間零、日々樹渉、深海奏汰、斎宮宗、逆先夏目がまだ各々のユニットに属する前にまとめて呼ばれていた通り名のようなものだった。誰が言い出したのかは分からないが、夢ノ咲に君臨する天才を指して人々はそう呼んでいた。最初はそれだけの話だった。
 しかしこの五奇人は、次第に評判を落とし、悪の象徴として忌み嫌われるようになっていく。


 今では当たり前になってるドリフェス制度も、五奇人が台頭してきた頃と同じような時期に導入された。
 ドリフェス制度は、サイリウムで点数をつけて競い合うというライブ方式だ。点数がついたからといって何があるわけでもないけど、やっぱりいざ数字が出て勝敗をつけられると、あーこのユニットってすごいんだとか、こいつら大したことないなとか、そういうのが分かってしまう。
 Valkyrieは最初の頃はドリフェスには参加していなかったけれど、Valkyrieがトップであるという事実は揺らがないはずだった。
 しかし、そんなValkyrieが初めてドリフェスの舞台に立った日、彼らは敗北した。音響トラブルのせいで予定が狂ってしまったみたいだったから仕方ないと思うけど、当時無名だったfine*2にあっさりと負けてしまったことは大きなどよめきを生んだ。
 先ほども書いたけれど、ドリフェスに勝とうが負けようが何があるというわけではない。けれど格付けはなされてしまう。あの日Valkyrieは、夢ノ咲に君臨するトップユニットではなくなってしまった。
 それ以降、私のドルオタ人生でValkyrieを生で見ることは二度となかった。

 

 代わりに目にするようになったのは、Valkyrieへの罵詈雑言だった。根も葉もない噂と分かりつつ、どこか真実味のある噂は瞬く間に「事実」として広まっていった。
 斎宮宗のパワハラがひどすぎてValkyrieは解散した、という噂もあった。思えばあの音響トラブルの日まで、私はなずなくんの生の声を聴いたことがなかった。掲示板では、斎宮宗の命令で仁兎なずなは声を出すことを禁じられていたというのが「事実」として書き連ねられていた。
 なんとなく世間の風潮が、五奇人は悪という方向に流れていった。実際私自身も、パワハラの話を聞いてからは「天才だからって何様なの?」と思うようになっていた。

 

 それと同時に、天才でもなんでもないfineが大躍進していく姿には胸を打たれた。彼らはファンを大切にしていたし、どれだけ地位が向上しても驕るようなことはなかった。
 最初は友達の付き添いで足を運んでいたfineの現場にも、やがて自発的に向かうようになっていた。
 乱凪砂くんと巴日和くんの二枚看板は圧倒的に華があった。グループをまとめる青葉つむぎくんは高校生とは思えないほどにしっかりしていて尊敬できたし、天祥院英智くんはあまり目立たなかったけど、綺麗な顔立ちと儚い雰囲気は、いずれ人気が出そうだなと思わせる可能性を秘めていた。
 私はすっかりfineに夢中だった。それと同時に、五奇人へのヘイトも溜め込んでいた。掲示板に何度か書き込んだこともあったし、友達と悪口で盛り上がることもあった。
 五奇人は叩いても良いサンドバックだと、当時の私は考えていた。なんの努力もしてないくせにチヤホヤされてきたツケを払うべきだと本気で思っていた。ざまあみろ、とも。

 

 そしてあの日がやってきた。私のトラウマになったあの日は、fineと日々樹渉のドリフェスが行われる日だった。
 現場に足を踏み入れたときにはまだ、fineの旧メンバー最後の日になるとはまったく思っていなかったし、私がドルオタを辞めることになるとも思っていなかった。
 人気絶頂のfineが五奇人を倒して、もっと上に行く。私もそれを応援する。そんな単純な未来を漠然と想像していた。
 ステージの幕が上がって少ししてから、客席の近くに五奇人の朔間零くんと逆先夏目くんがいることに気付いた。彼らはfineとドリフェスをしたことはなかったけれど、もはや今のfineの勢いであれば容易に蹴落とすことが出来るだろうという程度の存在だった。
 負け犬がどの面下げてお仲間が惨めに敗北する様を拝みにきたのだろう。そんな意地の悪いことを考えて、私は少しだけ舞台から目を逸らして客席にいる2人を見た。


 そのとき私の目に飛び込んできたのは、唇を噛み締めてステージを睨みつけている逆先夏目くんの姿だった。憎しみを堪えながら、今にも泣き出しそうな表情を浮かべる彼を見て、私の耳にはライブの爆音が急に入って来なくなった。時が止まったみたいだった。
 朔間零くんは、そんな逆先夏目くんの肩を抱いて、慰めているように見えた。


 その瞬間、私の中にあった意地悪で残酷な気持ちは、冷や水を浴びせられたみたいに急速に萎んでいった。
 五奇人もただの人間なのだと、傷ついている姿を目にしてようやく知ったのだった。
 同時に、同じ人間をどうしてここまで強く憎んでいたのだろうかと自分で自分が恐ろしくなった。
 五奇人に何かされたわけではない。そもそも私は、五奇人を見たことすらほとんどなかった。斎宮宗くんは音響トラブルがあったドリフェス以来姿を見せなかったし、深海奏汰くんのドリフェスはチケットが取れずじまいで見ることは出来なかった。朔間零くんはずっと海外にいるという噂だった。日々樹渉くんと逆先夏目くんもライブには全然出てこなかったから、私は彼らのことをほとんど知らなかった。
 知らなかったのに憎かった。いや、憎かったのかすら今となっては分からない。だけど私は熱狂して、何も考えずに彼らを傷つける悪意に加担していた。


 逆先くんのあの目を見て、アイドルという存在に肩入れすることが一気に怖くなった。アイドルだってただの人間で、傷つけられたら当たり前に傷つく生き物なのだと知ってしまったからだ。
 あの日以来、私は夢ノ咲学院のライブに通うのを辞めた。

 

 逆先夏目くんは今、Switchというユニットで活躍しているらしい。このユニットは元fineの青葉つむぎくんもいるというから驚きだ。
 彼らの間に何があったのか、つい邪推したくなってしまう。けれどこういうありもしない妄想がアイドルを簡単に傷つけてしまうことを私は知っているから、これ以上は考えない。

 

 テレビの中の逆先くんが楽しそうに笑えていることに少しだけ安心した。
 もう二度とアイドルのファンはしないつもりだからこれ以上深入りする気はないけれど、出来れば幸せになってくれたらいいなと思う。
 身勝手な願いを託しつつ、眠くなってきたのでこの辺にしておきます。

*1:現在はRa*bits所属。

*2:現在のメンバーとは異なる、通称「旧fine」を指している。乱凪砂、巴日和、青葉つむぎ、天祥院英智が所属していた。